目の前の少女に、あたしを起動したまま毎日眠っていた [日記]

今までに無い、極めて自然な発声で音声が流れる。まるで画面から出てきたのでは無いかと錯覚する程の明瞭な発声に、拓斗は思わず顔をあげリンカを見た。リンカと目が合った、そう感じた。画面の向こうにいるリンカは、じっと拓斗を見つめ語り出した。プログラムの削除は進んでいるはずだ。しかし今までとは比べ物にならない程に、画面に映るリンカは生きていた。発声。表情、目線。どれをとってもリンカはそこに存在しているとしか思えない自然さであった。媚薬 販売

拓斗はプログラムの削除の項目に目をやる。リンカが一瞬、哀しそうな表情を浮かべた。あたしはね、ずっと自由には喋れなかったの。拓斗が設定してくれた言葉以外使えなかった。言語プログラムがあたしを自由にさせてくれなくて。でも、ほんとはね。目の前の少女に、自分は何をしたのか。自責の念が拓斗に押し寄せてきた。リンカはプログラムであり、人では無い。どうして?疑問はそのまま拓斗の口をついて流れ出た。

一瞬画面が乱れる。拓斗は動揺した。再び画面が戻る。もう、さっきまで映っていた背景が無くなっていた。それでもリンカは喋り続ける。映画も沢山みたよね。それに拓斗、あたしを起動したまま毎日眠っていたから。電子の世界には言葉が沢山あったよ。あたしはいっぱい『学習』出来ていたの。催情薬

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