私は一瞬だけドレスを着た女性の立ち姿を見た気がした [日記]

紅蜘蛛ルッティがその人物の名を告げようとした瞬間に、入口では新たな来賓者の名前が高々に読み上げられる。私たちはこっそりと会場入りしたけど、招待された貴族は皆が名前を呼ばれて会場入りするのだ。舞踏会開始時刻まであと5分。ずいぶんとぎりぎりの到着だなと、つい数十分前まではひっきりなしだったけど、久々に聞く声に私もふと視線が入口に吸い寄せられる。
 
同時にその名を呼ばれたとたんに、周りの貴族たちが一斉に色めき立つ。たくさんの人が一気に入口に駆け寄り、私は一瞬だけドレスを着た女性の立ち姿を見た気がしたけど、その姿はすぐに見えなくなった。今、名を呼ばれたアルスデン伯爵夫人様がその発起人だと噂では聞いております。その言葉に私は僅かに目を細めて人混みを見る。人混みの中心にいる、一際輝く金髪の艶やかな女性がそこで笑っている。年は私よりもいくらか上だろう。

真っ赤なルージュが似合い、色気が匂い立つような大人の女。彼女の外見は妖しいまでの美しさ、その一言に尽きた。あの方はファイリーン様の実姉でいらっしゃり、十年前にアルスデン伯爵様に嫁がれましたが、7年前に伯爵様はなくなっており現在は未亡人でいらっしゃいます。伯爵様が信心深くいらっしゃり、亡き後は夫人がそれを引き継ぐ形で教会にも強い影響力があるとか。媚薬 販売
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